コラム 利用者向け

年末年始の急増する「コインパーキング詐欺」にご注意

コインパーキング

今年も年末年始が近づいてきました。この時期は憤りのメールが増える時期でもあります。
もちろん私たちへの非難のご連絡ではありません。毎年、急増する“2大 年末年始のコインパーキングトラブル”。つまり“正月料金”と“不正料金支払い”に関わるものです。
これから年末年始で、帰省したり、少し遠方への初詣、或いはのんびり温泉旅行など、日頃、車で行かない場所へ行かれるドライバーに、旅を台無しにしてしまいかねない、このトラブルについて注意喚起も兼ねてご紹介します。

昨年の消費者庁の発表も参考までに▼

後を絶たない『コインパーキングの看板詐欺』は悪質業者だけの責任ではない

時間貸し駐車場の料金表示について[PDF形式](消費者庁)予想を超える駐車場料金を請求されるコインパーキングの利用トラブルが急増しています。 その為、消費者庁はパーキング需要が増える時期にあわせて注意 …

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業界指導も効果なし。増長するコインパーキングの詐欺とも言える不正料金トラブル

仙台市にお住いの男性が、この夏、家族で東北の有名な祭りに車ででかけました。確保できたビジネスホテルには駐車場がなかったので、コインパーキングを探したのですが、どこも満車。ようやくだいぶ離れた場所に止めました。看板には“1日最大料金800円”と大きな文字で書かれていたのですが、男性はこの手のトラブルがあるのを知っていたので、周辺になにか書かれていないか、看板をすみずみまでチェックして、さらには管理している会社に電話までかけて、間違いはないかを確認しました。

電話口では“1日800円で3日でしたら2400円になります”と言われたので安心して3日間止めたのですが、精算の段階で2万円以上の価格が表示されました。コインパーキング側の話では、祭り期間の特別料金で“ちゃんと告知”はしていたとしましたが、実際は入口と反対側の看板にA4の紙に印刷していただけでした。男性は、確認した時、そんなものはなかったと言いましたが、事態は不明です。ただ電話の件は“1日800円なら3日でいくらか”と聞かれたので、“3倍と答えた”と言われたようなので、筆者は男性側の主張に軍配を上げたいと思います。

しかしこのような例は何も特別なものではありません。国民生活センターや日本パーキングビジネス協会には、毎年このようなトラブルについての相談が寄せられています。パーキングビジネス協会は“表示の明確化”を通達して、最低3センチ以上の大きさで記載するようにという指導はしていますが、まったく効果はないどころか、年々相談すうは増える一方のようです。駐車場新聞に憤りのメールをいただくのは、どこにこの怒りを持っていって良いのか判断できないことの証左かも知れません。

法外な“正月料金”。誤魔化しだらけの表示。いずれもビジネスの倫理観の欠如が原因

いくら正月料金が高いと言っても、その金額を分かり易い場所にちゃんと掲示してあれば、また最大料金1日800円と書いてあっても、“最大料金はその日限り。翌日からは通常料金”と識別できる場所に書いてあればトラブルにはなりません。このような事態が続くのは明らかにコインパーキング側に“騙して儲けてやろう。どうせ2度とは来ない客だ”という意識があるからです。要するに倫理観の欠如というより、悪質な事業者であるということでしょう。

少し極論にも聞こえるでしょうが、利用者が、これに対抗するためには“コインパーキング業者を信用しない”という姿勢で臨むしかないのでしょう。“何も一部の業者のことを、業界全体の問題にしなくても”という声も聞こえてくるようですが、残念ながら、この問題は、一部の業者のというレベルでは、もうないということを考えなければならないでしょう。

なぜか動かない“規制大国日本”の規制

駐車場新聞へのメールによくあるのは“法律で取り締まる事はできないか”という問いです。残念ながら、また不思議なことに、あれほど隅々まで規制で縛りたがる日本の行政も役所も、こと不動産が絡むことがらには手を出しません。コインパーキングのトラブルの元には表示の誤魔化しがあるのですが、日本では、こうした誤魔化し、或いは紛らわしい表記に対する規制条項がありません。それどころか、法的にも500平米以下の小規模駐車場には、料金トラブルがおこるような事態の設定すらなく、違法行為などの法的拘束力が規定されていません。これでは、コインパーキング業者はやりたい放題になっても何の不思議もありません。

それはコインパーキングの法的整備が遅れていることが原因です。役人の規制だらけの日本で、コインパーキングの利用規定については、どのような文言を入れなければならないとか、このような紛らわしい表示はしてはいけないなどの明確な法的規制がありません。そのため、目につかないような表示をしておいて、あたかも表示を読んでいない利用者側に非があるかのような対応をとる業者が後を絶ちません。そもそも、500平方メートル以下の小規模駐車場には、そもそも料金トラブルなどの違法行為について法的拘束力がないのですから驚きです。

予約価格での支払いが原則のシェアリングサービスなどの利用が安全

駐車場新聞では以前から、シェアリングサービスの利用をお勧めしています。これは、普段利用していない、或いは空いているスペースを、事業者、個人に関わらず登録してもらい、20~30%以上安い料金で、インターネット上で事前に予約、支払いを完了して使ってもらう仕組みです。

例えば業界最大手の<a href=”//ck.jp.ap.valuecommerce.com/servlet/referral?sid=3392827&pid=885559526″ target=”_blank” rel=”nofollow”><img src=”//ad.jp.ap.valuecommerce.com/servlet/gifbanner?sid=3392827&pid=885559526″ height=”1″ width=”1″ border=”0″>akippa</a>なら、年末年始であろうと、お盆休みであろうと、事前に駐車スペースを予約して利用することができます。さすがに年末年始で需要が上がっているため価格もやや上昇していますが、予約時の表示価格で支払いも完了するので、ぼったくりの心配もありません。

なにより駐車スペースを求めて彷徨ったり、ちょっとのつもりで駐車して罰金を食らう心配を考えれば、それだけでも充分価値があります。

いよいよ年末年始を迎えます。新年早々、嫌な気持ちになって駐車場新聞に怒りの投稿をするくらいなら、ちょっとした準備を怠ることのないようにしたいものです。

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