「駐車場シェアリングサービス」というと、あまり聞き慣れない業種ですので、業界関係者の中でも知らない方もおられます。
中には“カーシェアリング”と勘違いされる方もおられ、これからのビジネスモデルだと思われる方も多いでしょう。
しかし、東京23区や大阪市内などでは、かなり浸透していて、地方へと拡大するのは時間の問題です。
コインパーキングと駐車場シェアリングサービスについて
タイムズのコインパーキングは最近、“駐車場の理想的な稼働率は47~48%”としています。
これは順調な都市部と比べて悪い地方の物件の稼働率を正当化するために創られた“神話もどき”だと思いますので信用はできません。
普通正確に稼働率を取っている場合、平均的な数値は70%くらいになると思われます。
駐車場運営の場合、基本的に毎月の出費がないので、損益分岐の考え方はあてはまりませんが、平均値では充分な収益にはなりません。
この稼働率をあげるのに役立つのが『駐車場シェアリングサービス』です。
基本的には登録にあたって投資も運営費も不要です。
空いている車室を『駐車場のシェアリングサービス』のサイトに掲載してもらい、そのサイトに登録している利用者がネット上やアプリで予約して駐車場を利用するシステムです。
もともと空いているスペースを活用する場合、ネット上からこれまで利用することがなかった利用者を呼び込むことができ、収益もしっかり確保できるので、オーナーの立場から言うと利用しない手はありません。
この仕組みですとスペースがあれば誰でも(一般人でも)簡単に運営できますし、価格もコインパーキングより安く設定されている場合が多いので、この数が増えれば従来の駐車場経営者も美味しいところを取られることになります。
駐車場シェアリングサービスの選び方
しかし、そのような駐車場シェアリングサービスもよい事ばかりではありません。
サービスのためにはかなり大掛かりなシステムが必要ですので、偽業者に騙されることはあまりありませんが、個々の企業の営業能力の有無に関しては大きな開きがあるのも事実です。
いくら一生懸命取り組んでくれていても、その業者の能力がなければいずれ撤退ということもありますから、運営先業者の選定が命運を分けるだけの重みがあると言ってよいでしょう。
そこで、こうした業者を選定する時に必要な見分け方をご紹介します。
高い報酬率には注意
通常、業者の利益は稼働させた駐車場収益から業者分を差し引いて振り込まれます。報酬率に違いがあり、目安としては50~60%の提示になります。単純に考えると50%より60%のほうがよいと考えますが、注意が必要です。
例え報酬率が高くても“誰も利用されなければ”収入にはなりませんので“稼働率”は重要です。利用者数が多いほど利益は膨らみます。
稼働率をあげることのできる業者は、利用客の確保やシステムの利用を増やす為の投資が必要となり、かなりの費用がかかりますので、目の先に美味しい数字をぶら下げることはできません。
逆に稼働率に自信のない企業ほど、高い報酬率をぶら下げてきますので、これには慎重になる必要があるでしょう。
登録会員数とサイトアクセス数を優先する
そこで次に必要なのは、登録会員数や予約サイトのアクセス数の多寡です。
当然のことながら会員数やアクセスが少なければ予約される方も少なくなりますので稼働率は上がりません。
これを調べて下さい。
実際のサイトの見やすさをチェック(はったりに注意)
最後は実際にサイトを見てください。それが使いやすそうかはすぐわかるものです。
たくさん物件があっても“仕込み”であって、ほとんどが使えなかったり、よく見ると価格も安くないなど誤魔化しの手段はあります。
“はったりに注意”としているのは、サイトがカッコ良過ぎるケースです。
外見を飾る事ばかりに注力している業者も見られますので、その点は中身をしっかり見るようにして下さい。