AI(人工知能)の導入で、シェアサービスが様変わり?需要に合わせた価格変動は是か非か。
シェアリング社会への移行は、コインパーキングの乱開発や無駄なドミナント戦略による物価の高騰や、社会環境の破壊を食い止めるための社会の挑戦です。
しかし、そのことは国民生活の為にはなりますが、同時に大企業の収益の縮小も意味します。これまででも徐々に骨抜きにする流れが止まりませんでしたが、新たな既得権益勢力からのニュープレーヤーが参画のではと話題になっています。
昨今はやりのAI(人工知能)の導入がそれで、“ダイナミックプライシング(DP)”という技術によって、サービスを提供する側と利用者側が、価格面で納得できる額を瞬時に判断できるものです。
なにやら、複雑な条件を織り込んでも、“総合的に判断することができるシステム”なのだそうですが、そのシステムには“庶民の生活に役立つ”ことはプログラムされていないようで、あくまで“企業側の利益を守る”ことを実現する技術のようです。
この仕組みによって得られる結果がそれを表しています。シェアリングの中でも、コインパーキング業界への活用が積極的に行われているようなので、筆者はこの背景には、大手のコインパーキング業界が関わっているのではとさえ邪推してしまいますが、例えば、従来のコインパーキングだけでなく、シェアリング業にも進出しなければならない大手業者が、少しでも収益を高める意図を持っていると考えれば、この流れも腑に落ちます。
この仕組みを活用したシェアリングパーキングでは、ほぼほとんどのもので値上がりをしており、中にはこれまでと何も変わっていないにも関わらず10%~20%以上値上げしている例もあります。そうみるとAIを投入して…という文言にも疑問符がつきます。
果たしてAIがどうのというより、単なるデーターの解析から“料金を吊り上げられる余地を探”っているのに過ぎないからです。もし、未来の社会の為に自分の有休資産を利用してもらうという意思を持った方でも、“AIが儲かると言ってるよ”と囁けば結果は明かでしょう。
ただこのDP自体も、調べてみると、なにやら“大山鳴動ネズミ一匹”的なもので、新技術とかAIと言う触れ込みですが、システムそのものは比較的単純なプログラムではという指摘もあります。真偽のほどは今後調べて行きますが、少なくともシェアリング社会の意義に対する考えはあまり考慮されてはいないように感じます。
私見ですが、この仕組みは、シェアリング社会とは逆風の価格操作の為であってほしくはありません。ビジネスはあらゆる可能性を求める競争原理で成り立っているのは分かりますが、企業の釈迦的役割も重要です。せっかく芽生えてきた、そして次の世代に必須とも言えるシェアリング社会の意識を単なるビジネスに落としてしまうことになると、将来的に社会の大きな損失になることを懸念します。
そうでなくても、日本全国ではコインパーキングなどのドミナント戦略での根拠のない価格高騰が見られています。市場をかき混ぜる前に、中長期的視野というのも企業には必要であること。それが本来、新しい社会に貢献できるシェアリング社会に繋がるか否かという視点も重要です。