日本郵政のグループ子会社である”日本郵便”が全国各地の一等地にある遊休地を活用してコインパーキング「ポスパーク」を運営している。計画では2018年3月までに東京を中心に20ヵ所の時間貸し駐車場を開設。その後は順次全国に広げ、5年間で150ヵ所に設置する計画だという。
日本郵便では郵便事業の落ち込みに加え、乱脈ともいえる不動産投資などで膨大な失敗を重ねている中でなんとか穴埋めをしようとする目論見であろうが、「畢竟役人感覚から抜け出せない中で駐車場事業でその穴埋めができるとは到底思えず、一部には「民業圧迫」との批判を無視してまで事業化に乗り出すのはあまりに能がなさすぎる。繰り返される役人初無駄遣いの典型」というもっともな声もあり、先行きは多難だ。
もっとも日本郵便側では「充分な準備をしてきた。2012年から業界大手のパーク24と駐車場業務の見参を重ね、ノウハウも蓄積した」と述べているそうだが、これもよくあることで、日本郵便の持つ超一等地の遊休地が喉から手が出るほどほしいパーク24が、日本郵便側を丸め込むくらい他愛のないことだという厳しい指摘もあり、業界通によると「民営化して10年経つのに、汐留や品川などの超一等地に駐車場を造るくらいの知恵しかでない日本郵便が、いくら理屈をつけても、民間企業に”軒を貸して母屋をとられる”的なターゲットにされるだけで、5~10年後、更なる巨額の損金が発生されてゆくのは明白である」という意見にも的を射ている部分がある。
そのほか、「駐車場事業に参入するのに”ポスパーク”はないだろう。いつまでたっても親方日の丸の考えからは抜け出せていない」という指摘や、「いくら理屈をつけても、この事業が日本の駐車場不足問題の解決策になることはない。そもそも日本市場のほとんどは駐車場運営企業の大手が牛耳っているわけではなく、中小の企業によって占められている」など、ポスパークに対する疑問は後を絶たない。
且つて電電公社がNTTとなり、国の財産とも言える電信ネットワークを民間事業に位置づけ、更にはインターネット環境を国費で賄っておきながら、初代社長が”創業者利益”を口にするなどの”前科”がある「官発民営事業」。ここでも「日本郵便が持つ一等地は民営化前の国の財産であり、それを使った事業は慎重で有らねばならない」という正論にどのように答えるのであろうか。因みに現時点で日本郵便のHPにはポスパークの紹介は一切されていない。