A. ご質問者様が“不公平感”を感じられているのというのは大変敏感な反応です。
価格というのが常に需要と供給のバランスによって成り立っているという経済原則に基づけば、業界全体のきまりというものはありません。
例えば駅や主要施設から近く、車の出入りが激しければ当然強気の値段を設定されますし、周辺にライバル駐車場があればそれに基づいて価格が拮抗したりします。地方ならば1日停めても4~500円だったりします。
しかし、それでもなんとなく変だなと感じておられるということだと思われます。
時間貸し駐車場と昔と現在
日本で駐車場産業なるものが生まれたと特定できてから半世紀過ぎますが、初期は「月極価格の100分の1が、時間貸しの1時間料金」という感覚でした。今に置き換えると、かなり安い設定です。
それが変わったのが大手企業がコインパーキング事業に乗り出し、駅前市場を独占する手法を取り始めてからだと言って差し支えないかと思います。
つまりこれらの企業が駅前市場の寡占が進むほど、それまでの価値観が覆され、大手価格が標準化していると言えます。
とは言え、それまでの平置き※1から、新たな仕様にも移行しました。
(※1 場所があり、そこに置くだけ。昔はすべてそうでした)
具体的には、例え5台~10台くらいの小さいところでも、自動精算機や大型看板や電光掲示板などを導入、毎月の機器の利用料や光熱費(馬鹿にならない額です)が必要になりました。
それをオーナーが負担することはなかなかできない事もあってサブリースや一括借り上げが考え出されました。
これはオーナーに月々一定の“収入”を約束する代わりに、その土地の運営・活用を任せるという手法でなにかとてもお得な感じがするのですが、もちろんその経費が差し引かれる上に、企業側の収益も当然引かれる訳ですから、これはオーナー側にとってはとてもお得とは言い難いものです。
しかし一旦走り出した仕組みは今や市場を席捲しています。
戦後の経済発展からバブル経済に至る過程で、駐車場料金など些末なこととして扱われてきましたが、“経済小国”となってしまった現在、駐車場離れ、自家用車離れの影響がでているのも、こうした業界の高価格体制の影響も少なくないと思います。