その為、消費者庁はパーキング需要が増える時期にあわせて注意を喚起する通達を出したのが、昨年末12月25日のことでした。
「時間貸し駐車場の料金表示について」と題されたもので、内容は“間違いやすい”ケースが紹介され、駐車場業は簡単に参入できるので、悪徳業者も入り込むことがあるので、消費者に“勘違いしないよう注意する”ことを求めています。
私はこの通達をみてひっくり返ってしまいました。
まず消費者庁の無責任な体質に驚き、またこの期に及んでなお、問題は小さいものだという印象付けに躍起であることです。
駐車場看板がこのような詐欺まがいであるのは、何も今に始まったことではありません。
またこの“看板詐欺”的なものは簡単に参入した悪徳業者が起こしたものではなく、業界を代表する大手企業なども盛んに“活用”していた手法だったからです。
表示の是正を求める“庶民の声”は以前からあがっていたのに、ようやく重すぎる腰を上げたのが、12月25日というのも異例中の異例です。
通達が人の目に触れてから仕事納めまで1日しかない中での通達など意味があるなどと思っているのでしょうか。
そしてなにより驚いたのは、“これはあくまで紛らわしい表示であるので、消費者が気をつけなさい”という責任転嫁の姿勢です。
まるで悪質な業界を守るかの如く、珍説を振り回しています。
この話は単に紛らわしいのではなく、意図的に業界を挙げておこなわれている詐取的行為です。
そしてその原因は“100%”企業側にあります。
行政が企業側につけば、なくなるどころか、ますます増長します。
お近くの看板をご確認下さい。
通達が出てから4か月が過ぎて、看板表示が訂正されているものを見たことがあるでしょうか。
私はこのような消費者庁の姿勢については怒りしか感じません。
コインパーキングの利用者の方は絶対に看板を信用しないようにしなければなりません。
しかし、そのようなことで業界の信用が保たれるものでしょうか。
事なかれ主義、責任転嫁主義から生まれるものは信用の失墜にしかならないのです。
因みに、紛らわしい表示例を以下にご紹介しますが、今後益々巧みな表示になることも予想されますので、充分な注意を払う必要があるでしょう。