かつて日本の駅前にはパチンコ屋があって、これが景観を著しく破壊するという批判を受けていました。
だからといって移転する訳にも行かず、今ではけばけばしい外観を改めて防音もはかり、それとは気づかない存在になっています。
街の景観保存というのは、どこでも神経を使うところですが、現在どこの駅前にも乱立して、こうした景観保存の努力を台無しにしているのが、大手企業のコインパーキングの存在です。
小さな駐車場でも、不釣り合いなど大きく、センスに欠ける看板や電光掲示版、記入方法の問題が指摘されている金額表示版が建てられ、これも不必要なほど大きな精算機が脇を固めていて、これがいくつも乱立していては、景観もなにもあったものではありません。
またこうした駅前には、コンクリートがむき出しの月極駐車場も乱立していて、これがまた汚いとしか言いようのないような醜態をさらしていると言ってもいいでしょう。特に都市部の駅前は両者の相乗効果で、妙な雰囲気を出していますが、誰もが慣れてしまって、これが気にならなくなったのかも知れません。
観光で有名な京都でも、どこを走ってもこうした看板だらけで、京都の風情など純粋に味わうことなどできなくなってきているのは街の景観に敏感な人にはたまらなく不満でしょう。
これらが瀰漫しているのは、陣取り合戦であるからかも知れません。
事実駅前などには同じ大手企業のこうした物件がありますが、同じコインパーキングが3ヵ所並んでいて、それぞれに機械も看板も掲示板もあるので、ごたこたしていています。
少しでも場所をとって、利益にしようというのでしょうが、あまりに美観意識などないのには、企業倫理や社会に対する軽視が垣間見られて、ある意味現代的なのかも知れません。
このような大手企業には行政も議員も口を出せないので、条例を強化して街の景観を守れという声があがることはないのでしょうが、それをよいことに現在の状態を進めて行く事には猛省が求められます。