ソフトバンクは2018年4月5日、IoTを活用した駐車場シェアリング事業への参入を発表した。対象は企業などが所有する遊休スペースで、具体的なサービスは「スマホを使って対象駐車場の空きスペースを検索したり決済できるサービスを提供する」と述べている。実際のサービスは今夏の開始予定。
同社では発表前から企業や自治体などへのアプローチはすでに進めていて、「驚くほど有利な条件を提供してきたが、規模も大きいものを求めて来るので簡単には対応できない。ある程度の規模になるまではダンピング的な条件を提示して集めているようだ(自治体の担当者)」と内幕を教えてくれる。
実際、現状での同社の計画を見ると、サービスの内容自体、これまであるものと変わらず、単に後を追っているに過ぎない感がある。しかもサービス料金などの詳細も一般向けにはまだ決まっておらず、計画自体がソフトバンクのネームバリューを全面に打ち出すようにも感じる。「過去の同社のやり方から見て、最初はただ同然で市場を占有してから、自分に有利な設定に戻すのでは」という見方もあるが、その点は未定のようだ。
ただ、貸し手には様々な機械の導入が義務付けられている。磁気センサーやカメラシステムを導入させる仕組みは決まっているようだが、具体的な価格は未定。ただ、同社では「従来のコインパーキングに比べてシステムは安価である」としているが、どの程度安価かは発表されていないこと。また機械以外の月額使用料や契約条件なども全く決まっていない状態である。
「ソフトバンクは最終的には駐車場のシェアリングサービスではなく、従来のコインパーキングとの中間の事業を考えているのではないか。全容が未発表だが、今頃、駐車場のシェアリングサービスに機械の導入を前提にすること自体、違和感を感じる」という声もあり、この時点での発表への違和感は否めない。