A. 頂いた資料でみると、20年前に造られた機械式立体駐車場4基80台。
現物をみていないので一般論でのお答えとなります。
だいたいは製造時期に長期修繕計画書などが提出されていて、基本的には3つの項目(構造部材、駆動部材、電装部材)での、修繕時期が明記されています。
ご相談者の物件でも、モーターやワイヤー、チェーンなどの駆動系は6~8年とされていて、この期間に実施されていますし、スイッチなどの電装系も3年ごとに交換されていますので問題はないでしょう。
鉄骨やパレットなどの構造部材が20年と設定されていますが、これはあくまで“それが望ましい”くらいの感覚で書かれているもので、特になんらかの外的要因(事故や災害、監理放置による破損など)がない場合で、20年で建て替えた例を私は知りません。
しかしこれはあくまで“取り換え”だけの話で、実際の運営には“メンテナンス費用”なども関わってきます。
むしろ前任者の言われる“抜本的な解決策が必要”と言うのは、現在、大きな問題となっている“マンション駐車場の空き問題によることを言われているのではないかと思います。
事実、多くの(かなり加速していますが)マンションの機械式駐車場では、車離れなどで多くの空きが発生していて、その為の収益がなく、それがマンションの修繕費などの収益の不足に繋がり、結果としてマンションの運営費が不足することが問題化されています。
これがなかなか解決しない原因の中に、問題の先送りがあります。
マンションの維持管理については合議制でもあるのですが、その集まり自体が年に1~2度というところがほとんどで、対策があっても、実際決断しない仕組みになっています。
これでは運営費の大幅な値上げをせざるを得ず、前任者の方も、そうした仕組みを変えなければと言われているように思います。
マンションの駐車場余り対策は今後、日本全体のマンションの経営存続に大きな問題を提議することですので、安易に考えられないほうがよいと思われます。
ですので維持を考えるなら建て替えはあまりおすすめできません。