「私は駐車場を経営しています」という方とお話しをしていると、そのほとんどが運営から管理まで、ほとんどすべてを大手の駐車場運営企業に委託するか、地元の管理会社に丸投げされています。
ですので実質の稼働率など駐車場に関する数値などはほとんどご存知なく、毎月これこれの収益があるというくらいが関の山です。
ある角度からみると、これで駐車場経営者とは言い難いかも知れません。
しかし畢竟、オーナーがそれで満足されているのであれば、それは個人のことですので、外部が口を挟むものでもないのでしょうが、運営企業側がオーナーを食い物にするような運営方法を進めると言う事になると、それは一般の消費者の不利益に繋がりますので黙ってはおれません。
大手運営会社現場社員の感覚
こうした大手運営企業の現場社員の方とお話しをすると、彼らの企業倫理のなさやオーナーに対する誠意のなさには閉口することがあります。
彼らからは
「会社から、無理な課題を押し付けられているのだから、それをクリアするには人の事は構ってられない。オーナーも後になって文句をつけてくるが、必要なところは契約書に書いてあって、見落としているのだから僕の責任ではない」
…というような、まるで一昔前の高利貸し的な発言が聞かれます。
嫌な話です。しかし現場の彼らが会社から要求されること自体がそのようなことがあるのですから、個々がこのような反応を示すことは、是非はともかく事象としては分かります。
例えばこのようなことがあります。
本来最適な駐車場の月極と時間貸しの割合は…?
駐車場経営をする際に、もっとも効率の良いやり方は『1ヵ所で月極と時間貸しを半々で設定する』ことと言われています。
それがオーナーサイドに最も利益をもたらすやり方です。
しかしコインパーキング業の現場社員のほとんどはコインパーキングを100%として契約します。その理由は“ノルマ”です。
コインパーキング契約をすると、企業側には、その段階で膨大な利益がほぼ約束されます。
数百万~数千万の設備費を手にできるからです。
そこで現場の社員にはノルマが課せられますが、普通、1か月100スペースくらいでしょうか。
もし本当であれば、時間貸し60対月極40くらいが良いと分かっていても、まずはノルマの確保が優先ということで、コインパーキングスペースが無駄に増えます。
会社でも現場に注意をしますが、現場は“会社が実質承認している”と反撃するなどと言う構図があり、ここにはオーナーや利用者の利益は反映されるはずもありません。
そうした現実問題を、丸投げしてしまって何も知らないオーナー側にももちろん責任の一端はあるでしょうが、それによって、利用者が異常に高い価格を押し付けれては元も子もなく、なにかの変化によって、経営状態が静かに悪化してゆくことも想定されます。
企業は少し、ハンドルを戻す必要があるのではないでしょうか。