一時喧しく言われた市街景観の保存ですが、最近ではあまり誰も気にならなくなったようです。
先日、とある地方都市のオリエンテーションがあって、市長が自ら、ここ数年の市の発展について、経済的、文化的にいかに充実しているか述べられていました。
ここで質疑応答がありました。
多くの方が参加されていたので、このやり取りをお聞きになった方もおられると思いますが、ある方(おそらく地元の方)が「経済的にはそうかも知れませんが、最近街中が汚くなっている」という趣旨の質問をされました。
誰が聞いても、その「汚れ」とは「景観」に関することを言っていたのですが、市長は「ゴミ」のことにすり替えて答えていました。
無秩序看板により進む景観破壊
実は私も同市に着いた直後から、街道沿いの商業施設の大きな看板群が気になっていました。
とても空が広く、自然環境もよい地域にも関わらず、1キロ先からでも充分認知できそうな看板が立ち並んでいます。
市街地に入って落ち着いた佇まいの地区に入ったら、そこには軒並みコインパーキングの看板が立ち並び、それは夜になっても証明に照らし出されたり、電光掲示板のけばけばしい表示が風景をぶち壊していました。
郊外で高速で走る車両を対象とする商業施設に大きな看板と言うのはまだ多少の理解もありますが、コインパーキングになぜあれほどけばけばしい大きな看板や付帯器具が必要なのでしょうか。
畢竟、借りた土地のオーナーを繋ぎとめるために、無理やりこうしたものをたくさん標準装備することで、大きな出費をさせる意図であるとしか思えません。
そんな目的で、市民の財産である景観を破壊するのは、いずれは運営企業そのものに重く跳ね返ってくることを、再認識するべきではないでしょうか。