駐車場予約アプリ「akippa」を運営するakippa株式会社では2018年11月7日(水)に累計会員数が100万人を突破したことを発表しました。また同社では、100万人突破を記念したサンクスサイトも同時に公開しています。
akippaに関しては、駐車場のシェアリングサービスのリーディングカンパニーとして、トップをひた走っていて、これほど短期に100万人の登録者数を越えたことはさほど驚きではありません。
今後も会員数は順調に伸びて行くのは間違いのないことでしょう。
シェアリング業界からは、期待外れの声も…
しかし、情報筋(以下の「」)からは、同社の躍進を評価しながらも、その陰で「期待外れ」の声も聞かれています。それはここに来て明らかになってきた、「用地確保不足」の問題です。akippaでは累計の登録駐車場数が2万3千か所と発表していますが、akippaの多くは1スペース、或いは数スペースなので、提供できる車室でいうと、「3万か所からせいぜい3万2千くらいではないか」との声も聞かれます。その程度の車室では、シェアリングビジネスとしての売上げもしれていますし、都市部以外は提供箇所もごく僅かなので、なおのこと利用価値は上がりません。
その事実の反映か「akippaは正式な発表はしないが、提供場所があっても、ほとんど利用のない場所はかなりの数に上るのではないかと思われます」との声もあり、同社のてこ入れの必要性を説きます。また、人気の場所は予約が被ってしまいますので、同社が言うほどの利便性の確保が困難になり、利便性の向上は期待できません。
また地方ではほとんどakippaの駐車場登録がないので、「所詮、都市部の大手企業の余ったスペースを借りて、akippaとして収益の高いところにしか興味を示していない」ことも問題です。
akippaでは当初、大手企業からの融資を背景に東京、大阪、福岡、名古屋などの“超一等地”の物件に特化してきたので、地方などの活性には興味を示していません。
ですからCMスポットなどの活用も一切ありません(一部、沖縄のみ)。同社では「本社ではそれをしてしまうと対応ができなくなる」と説明していますが、同社がリーディングカンパニーを謳うのであれば、そんな言い訳は通らないという指摘もあながち外れではないでしょう。
また駐車スペースを提供した個人に対する処理も、現在ではかなり後手に回っているようで、手間を提供者に押し付けているのも問題です。
すでに駐車場シェアリングには興味がなくなっている?
既に数十億単位の企業融資を受けている同社は、「駐車場シェアリングには興味がない」とも言われています。akippaでは「今後akippaはMaaSを目指す」ことを発表しています。内容を精査すると、車を利用する方々に総合的なサービスを目指すと言う事ですが、これが利益の上がらないシェアリングはアリバイ程度に運営しておいて、豊富な融資を活用して、収益性の高い事業に鞍替えしていることを言っているともとれますので、今後akippaが本当の意味で、日本のシェアリングサービスの代表となるかは疑問です。
akippaは数年前の事業計画で「全国各地に代理店の仕組みを作り、日本全国の駐車場不足を解消する」と発表しましたが、ベンチャーらしく最近は、そのような方向性は忘れてしまっているようです。
akippaは個人企業ですから、企業の方針をどのようにチェンジさせようと、それは確かに自由でしょう。また、MaaSの方向性は、違う業種への有効な投資対象として、同社にとっては有意義な変更なのかも知れません。しかし、akippaは、一般消費者に駐車場シェアリングサービスを謳ってのし上がってきたのであれば、最低限の社会的責任は果たすのが企業倫理というものでもあります。
「akippaでは2年ほど前から、ほとんど提供する用地確保の面で、特に地方など利益の少ないと思われる地域では、ほとんど手を打っていません。テレビで採り上げられるたびに、ある程度数字があがることは分かっているのですから、もっと早い時期にCMなどを流すべきですが、そのような意思はまったくなかった。
これは推測ですが業界内の軋轢を避けているというより、ある程度の結果がでたのだから、手間を省きたいという理解しかできない」という見方もあります。同社の企業倫理に期待したいところではあります。