都心部で駐車場を…。それも長時間となると、ストレスも並大抵ではありません。ちょっと間違えば諭吉が飛んじゃうことだってある。そんな時、やはり役立つのはakippa。すでに追従者はほとんどなくなって“超一強”状態。最近では、シェアゲートで機械式駐車場対応システムを開発したり、スマートスタジアムでイベントの混雑を緩和したりと八面六臂の大活躍をみせています。
先日もakippaアプリで1日駐車場を検索していたら、中堅ホテルチェーンが駐車場の貸し出しを始めたのを見つけました。都心の中心部にまだまだ駐車スペースを提供する企業があるのだなあと改めて関心しました。どんとん大手から中堅に至るまで、多くの企業がakippaと業務提携を進めています。
そんな中、akippaの累計登録会員数が150万人を突破したとのトピックスが業界を駆け巡りました。この間まで100万人と言ってたと思ったら躍進の150万人突破で勢いも加速しています。
akippaの躍進にちょっと気になる3つの数字
そんなakippaですが、マーケッターからすると、“とても気になる数字”があります。今日はそんな気になる数字と、それを克服するための対策についてコメントしたいと思います。
1. 会員数150万人突破も実際にはジリ貧?
akippaが稼働して5年。最初はネームバリューもなかったし、何より売り上げも低く、資金も厳しい中でスタートしました。しかし早い段階で、そのシステムの優位性と将来性が買われ、大手企業からの資金調達が可能となりました。
そんなリーディングカンパニーの地位を築いているのですが、年々、会員数の拡大のペースは鈍ってきているようです。これは同社の発表ですが、会員数は2~5倍のペースで拡大していましたが、2018年~2019年は1.5倍と低成長。これほど、有利な環境にありながらの数字ですから、これを“ジリ貧”と捉える向きもあります。
これはakippa自体が宣伝活動などを少し軽く考えているように見えますので、もっともっと広める努力をすべきでしょう。以前akippaの担当者の方が、“宣伝をすると、一度に依頼が殺到するので…”と言っていましたが、ちょっと違うでしょうか?
2. 深刻なのは提供場所数。30000カ所は下駄の履かせすぎ?
akippaのヘビーユーザーでも感じるのは、都心部とその他の個所数の違いです。確かに都心部ですと、代替場所も豊富ですし、駄目ならコインパーキングもあります。しかし、少し離れると…少ない。地方に行くと…そもそも無い。
提供場所数は3万個所とはうたっていますが、ほんとうはもっと少ないように感じます。“利用不可”がとにかく多い。要は辞めているのですが、“撤退”ではなく“休止”としているので、以前使えていたところで利用不可となったケースは大変多い。
これの対策は、報酬率を上げることでしょう。今は売り上げの50%がオーナーの手元に入りますが、これを60%くらいに上げて、もっと“本当の個所数を作るべき”でしょう。その時、特定の場所だけでなく、本当に駐車場シェアリングサービスだと胸を張ることができます。
3. akippa業績が伸びない
akippaはベンチャー企業ですから、基本的にしばらく収益がでなくても良いとされています。だってメルカリだってまだまだ赤字が続いていますし、業界では10年位赤字が続かないようではベンチャーではないとすら言われる傾向があります。ましてakippaは単純な駐車場シェアリングサービスではなしに、総合サービスへと舵を切っていて、多くの一流企業がそれを支えているのですから、どんと構えて進むべきです。
ただ、akippaの数字を見ると、中心となるシェアリングサービスでの収益が確かに伸びていません。ベンチャー企業は未来の先取りですから、赤字は許容範囲ですが、それでも企業業績は徐々に好転して当然です。それがakippaに見られないという指摘があります。
これは手厳しい指摘ですが、あながち外れていると一笑にふせることもできません。ITベンチャー企業に大きく変貌をしようというのですから、人材も今後それに適合するものを増やす必要があります。僕はどうも今のままでしたら、akippaの現行システムの弱点を補った事業が急に台頭してきそうにも感じていますから、駐車場シェアリングサービスは外部に委託してでも立て直す必要があります。
以上、akippaの気になる3つの数字を挙げてみました。とは言っても、akippaの地盤は現在のところまだまだ強固ですので、優位性が緩むこともないかも知れません。また、業績にしても、akippa自体も考えていることでしょうから、今後もしっかりと手を打って頂きたいと思います。